おねしょは、夜間寝ている間に作られる尿が多かったり、尿をためるための膀胱の働きが未熟だったりすることで起こります。3-4才までおねしょをしても問題ありませんが、5-6才を過ぎても月に数回以上おねしょををすると夜尿症と診断されます。夜尿症のタイプには、夜間の尿量が多い「多尿型」、夜間に膀胱の働きの弱い「膀胱型」、またその両方による「混合型」があります。5才で5人に1人、10才でも20人に1人に夜尿症がみられます。夜尿症の治療の基本は、生活習慣の改善です。お子様の約2-3割は生活習慣の改善だけでおねしょをしなくなると言われています。具体的には@規則正しい生活をする A水分の取り方に気を付ける B塩分を控える C夜中、無理にトイレに起こさない D寝ているときの冷えから守る E寝る前にトイレに行く などです。寝る前に水分を取り過ぎるとおねしょにつながります。昼間は水分を多めにとっても大丈夫ですが、夕食後から寝る前まではコップ1杯程度にしましょう。塩分の取り過ぎはのどが渇き水分の取り過ぎにつながります。また夜中にトイレに起こすと、寝ている時間におしっこをする習慣がついておねしょが治りにくくなります。生活習慣の改善でも効果がない場合は薬物療法やアラーム療法と呼ばれる夜尿直後にアラーム音で目覚めさせ膀胱の機能を高める治療があります。薬物には、「多尿型」に効果のある尿を濃くして尿量を減らす抗利尿ホルモン薬や、「膀胱型」に効果のある膀胱機能を安定させる抗コリン薬などがあります。夜尿症は治療をせず自然経過でも12才頃にはほとんどのお子様は治癒しますが、成人まで続くこともまれではありません。治療を受けることで、おねしょがより早期に治癒すると言われています。医療機関を受診する目安としては、おねしょの頻度にもよりますが、8-9才で毎日おねしょする方は医療機関の受診をお勧めします。まずは先ほど述べた生活習慣の改善を実践していただきたいと思います。 |